✅その年に全額控除可能かどうかのライン判断について
所得税の控除限度額
=その年分の所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)
≒その年分の所得総額×(所得総額に対する)実質の所得税率×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)
≒(所得総額に対する)実質の所得税率×その年分の調整国外所得金額
こうですね。正直ここだけ覚えておけば問題ないでしょう。
結局最終的な所得総額に対する所属税率がどれだけ高いかが問題になるだけです。
これが外国税の税率より高くなれば全額控除だし、低けりゃ控除しきれない。
以後もりちょろちょろ計算しますが
ここで言う『実質の所得税率』というのが、所得総額に対するものであることだけ注意して計算すれば良いと思います。
備考:本日記における実質の所得税率
たとえば上記計算例では年収10,000,000(日本)+1,000,000(海外)円
収入全体に対する実質的な所得税率は
99,000/11,000,000で概ね9%
所得全体に対する実質的な所得税率は
99,000/8,950,000で概ね11%
課税対象所得全体に対する実質的な所得税率は
99,000/7,700,000で概ね13%
なのですが、ここから先書く実質の所得税率というのは特に断らない限り11%のことを指します。
実質税率という言葉はいわゆる1億円の壁なんかで言われるやつです(平均負担率)が、扱うメディアによって所得全体に対してなのか、課税対象金額に対してなのかなどばらつきがあったので一応ここで断りを入れておきます。
話を戻して
控除上限≒(所得総額に対する)実質の所得税率×その年分の調整国外所得金額
からは配当の割合が少なかったり、年収が安かったり(ふるさと納税だったりiDeCoだったり)控除の割合が大きかったりする場合など
実質的な所得税率が概ね7.7%を切る(≒住民税と合わせても10%を切る)場合に関しては
10%の外国(≒アメリカ)税全額を控除し切ることができないことが読み取れますね。
・ざっくり:実際の検討
さっきのは節税意識ゼロ、ノーガード年収1000万円君でしたけど
こっからはサラリーマンの節税三種の神器みたいに扱われるふるさと納税、NISA、iDeCoを最大限利用するリテラシー高めのサラリーマンを想定したお話です。
配当とそれに伴い申告分離課税された配当分の所得税が与える所得税全体への影響が無視できるほど十分小さいと仮定し、
いつもの年収1000万円君をベースに計算すると
-節税前-
収入合計:10,000,000
所得金額:8,050,000
課税所得金額(所得税):6,300,000
所得税率:20%
税額控除:636,000
所得税:1,260,000-636,000=624,000
元々の総所得に対する実質所得税率は7.75%。住民税をあわせてこの1.3倍は最低限控除できるため10.07%が最低ラインとなり
税金対策をしない場合はちょうどいい具合に外国税分を全額控除が可能です。※
※申告分離課税で所得税率15%の配当をどれだけ積み上げても、控除限度額が上がりこそすれ下がることはないので確実に控除しきることができる。
ここから(NISAは影響を与えないので無視)ふるさと納税の自己負担額2000円までの最大額およびiDeCoの最大額(276,000/年)を使用した場合…元々がギリギリなので実質所得税率の低下に伴い全額控除は不可能になります。
-節税後-
先の状況からふるさと納税(概ね上限170,000~180,000)とiDeCo(概ねサラリーマンの上限276,000)を行い、計算を単純化するために合計45万円の課税対象金額の圧縮を行ったとします。
課税所得金額(所得税):5,850,000→所得税:534,000
となるので総所得に対する実質の所得税率は534000/8050000*100より
概ね6.63% となるので、この1.3倍で8.6%程度まで最低ラインが後退して全額当年分での控除ができなくなります。
つまり、iDeCoとふるさと納税を(合理的に)最大限利用して
確実に10%の外国税を控除できる最低限の年収は…少なくとも1000万円以上、
ちょっと計算が雑ですがここから全額控除するためには
(なんだか手段と目的が逆転しているような気がするが)
大体1150万円まで年収を引き上げる(社会保険料が引かれないアルバイトなら+80万の1080万くらいで済む)か
申告分離課税で15%の税金がかかる配当が110万円分程度必要ですね。(計算割愛)
・参考:年収が低くても
給与・雑・事業所得が無収入の場合は例えば100万円の配当を得た場合
その年分の所得税額=137,835円
その年分の調整国外所得金額=1,000,000
その年分の所得総額=1,000,000
なので、所得税額全額が外国勢控除の上限になる…ので、外国税分10万円をすべて取り戻せるはず。
でもこれなら総合課税を選択して日本の分を取り返した方が得な気はする。


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